おはようございます!
結婚相談所『マリアージュマリ』のマーリーでございます。
1. 嫁入りの儀式(引き渡しの儀)
マリー・アントワネットはオーストリア・ウィーンを出発し、馬車で約2週間かけてフランス国境へ向かいました。
フランスとオーストリアの国境には、ストラスブール近くの**「中州(イル川の島)」**に特設された仮設建物が用意されていました。
この建物は国境をまたぐように作られ、中央の部屋で「引き渡し」が行われました。
儀式の流れ
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オーストリア式の別れ
オーストリア側の部屋で、母マリア・テレジアの使者や侍女たちに別れを告げます。
形式上、持参した衣服や宝飾品、身につけている下着まで含めすべて置いていくことになっていました。
これは「新しい国で新しい人生を始める」という象徴でした。 -
全てフランス式に着替え
フランス側の侍女たちが用意したドレス、アクセサリー、化粧法に着替えます。
オーストリアの衣装はやや簡素でしたが、フランスの宮廷衣装は豪華なレースや刺繍がふんだんに使われており、華やかさは段違いでした。 -
フランス側への引き渡し
フランス側の貴族団が迎え入れ、公式に「フランス王太子妃」として紹介されます。
2. 結婚当日の衣装
結婚式は1770年5月16日、ヴェルサイユ宮殿礼拝堂で挙行されました。
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ドレス:銀糸で織られた白いブロケード生地に、銀の刺繍とレースをふんだんにあしらったローブ・ア・ラ・フランセーズ。
裾には長いトレーン(引き裾)が付き、何人もの侍女が持ち上げて歩きました。 -
髪型:まだ“超巨大ヘア”が流行する前の時代ですが、それでも宝飾品と白粉(パウダー)で華やかにセットされ、ダイヤモンドのティアラが輝いていました。
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アクセサリー:母マリア・テレジアから贈られた豪華な宝飾品と、ブルボン家からの宝冠。
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化粧:白粉で顔を白くし、頬に紅(ルージュ)を差す18世紀フランス宮廷風。
3. 宮廷の様子
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礼拝堂は金色と白を基調に装飾され、花やタペストリーで飾られました。
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王侯貴族や外国大使、宮廷の華やかな貴婦人たちがびっしりと詰めかけ、観覧席は宝石の輝きと香水の香りで満ちていました。
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結婚のミサの後、盛大な祝宴と舞踏会が行われ、花火が夜空を彩りました。
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宮廷では数日にわたり宴が続き、パリ市内でも祝賀行事が行われました。